2012-10-20

集団暴行:宗教施設で男性死亡 男女8容疑者逮捕 京都


 宗教施設内で男性信者1人を集団で暴行して死なせたとして、京都府警捜査1課などは21日、京都市南区東九条石田町の宗教法人「空海密教大金龍院」の信者で会社経営、増田敦士容疑者(46)=京都市左京区=ら男女8人を傷害致死容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は今月16日午前10時〜正午ごろ、同法人施設内の道場で、信者で会社経営、南部忠之さん(68)=同市上京区=の顔や体を殴ったり、蹴ったりして暴行を加え、翌17日午前0時10分ごろ、搬送先の京都市内の病院で、全身打撲による出血性ショックの疑いで死亡させた、としている。

 このほか逮捕されたのは、南部さんの妻でパート従業員、南部洋子容疑者(67)=同=や、大阪市西成区、滋賀県彦根市など在住の48歳〜76歳の信者。8人は大筋で容疑を認め、一部の容疑者は「教えに背く行為をしたので暴行した」などと供述しているという。

 府警によると、16日午後4時ごろ、施設内で倒れている南部さんを別の信者が見つけ、病院に搬送。体中にあざがあるのを不審に思った病院が府警に通報した。増田容疑者らは病院に「南部さんはトイレで倒れた」などと説明していた。

 同法人は54年に登記され、代表役員は古賀一光氏。法人登記の「目的」欄には、「不動明王を本尊とし、空海・弘法大師の本懐を旨とする」「世界平和、地球大浄化運動を推進する」などと記載している。

 施設は2階建てで、近くに住む女性信者(85)によると、2階に事務所や畳敷きの道場がある。道場は祭壇や護摩壇を備え、仏像や仏を描いた掛け軸などが飾られているという。女性信者は「朝9時ごろから昼すぎまでは勤行があり、お経を読んだり、体操のような踊りをしたりしている。暴力ざたなんて見たことがない」と話した。近所の人によると、太鼓の音が聞こえることもあるという。

毎日jp 2012年9月21日