2015-10-18

勧誘トラブルが続く宗教団体を公安がマークする理由

 大学生の男性(19)を誘拐したとして、警視庁公安部は5日に、未成年者誘拐の疑いで自称アルバイト男性A(28)ら3人を逮捕した。A容疑者らは宗教法人「顕正会」の関係者とみられている。

 逮捕容疑は4日午後4時半ごろ、東京・台東区の上野公園で観光にやって来た大学生に「東京見物に行かないか」と声を掛けて車に乗せ、連れ出した疑い。板橋区常盤台の駐車場にいたといい、近くには顕正会の建物があった。

 大学生が車内から母親に連絡し、母親の通報により駆けつけた板橋署員に保護された。A容疑者は取り調べに対し、勧誘目的だったと認めている。

 たびたび勧誘トラブルを起こす顕正会を公安はマークしていたという。公安関係者は「自衛隊に信者が多いのです。この傾向は好ましくないということで、公安が注視しています」と明かす。災害などで国民の命を守る使命のある自衛隊員が、万が一にも宗教の教えを優先するようになってしまったら、使命が果たされない。公安がマークするわけだ。

「顕正会は終末思想を掲げています。その中のひとつに、中国や北朝鮮が日本に攻めてくるとの主張があり、自衛隊に広がりやすかった。自衛隊員は官舎に住んでいて、閉鎖的なところがあります。官舎の1人が信者になると、同僚やその家族に勧誘が行われる。こうして信者が増えていくのです」(前出関係者)

 それにしても誘拐とはやり過ぎではないだろうか。

「上からの締め付けが強いのでしょう。教団内で地位を上げるためにも勧誘実績を残さないといけない。そのプレッシャーでとっぴなことをしてしまうのです」(同)

 逮捕に顕正会は反発しているという。

東スポWeb 2015年10月7日

「東京見物に」と少年誘拐 宗教法人の男2人逮捕(動画)
顕正会関係者、勧誘目的で未成年者を誘拐し逮捕