2014-12-04

解散総選挙の狙い

 小渕優子経済産業相と松島みどり法相が10月20日に辞任。その後も自民党内における政治とカネの問題が続出した。安部首相は「消費税率の10%への引き上げを1年半先送りした上で、その判断について国民に信を問うため衆議院を今週21日に解散する考えを正式に表明」(NHK解説委員室)した。解説委員が「大義は何か」と書いているが、もちろん「解散の大義」は別のところにある。不詳私が解説しよう。

 公示前勢力は自民:295、公明:31で定数475議席に対して、与党は68%を占めている。何をどう言い繕ったところで「解散する理由」にはならない。

 4月にオバマ大統領が来日した。その後、安倍首相がやったこといえば、特定秘密保護法の制定と集団的自衛権の行使である。これがアメリカからの意向であることはまず間違いない。

 そして今回の解散については読売新聞のスクープで、ナベツネがゴーサインを出した。ナベツネがフィクサーとして解散劇の舞台裏に関わっているとすれば、当然、大連立を目指した動きを目論んでいることだろう。

 ここまで見えれば答えは必然的に導き出される。アメリカからの明確なメッセージは「自分の国は自分で守ってくれ」というものであり、既に米国の国防予算は大幅に削減されている。日本が動かないとなれば、彼らは沖縄から基地を引き上げるくらいのことまでやりかねない状況だ。

 つまり憲法改正~日本の核武装化こそが解散総選挙の狙いである。そのためのお膳立てとしてアメリカは中国を突っついて尖閣諸島を武力支配させる。





 既に読売・日経は安倍応援団と化している。そして「アベノミクスを問う」と首相が言っている以上、投票日までは必ず株価を上げてくることだろう。格付企業ムーディーズが日本の国債をAa3からA1に格下げした。通常であれば大ニュースだがマーケットは瞬間的な動きにとどまった。ま、現物をやっている人は12日には手仕舞いしておくべきだろう。

 自民が圧勝し、大連立の動きが実現すれば、公明党は必ず切られる。そして尖閣危機が起こった時、憲法改正に反対する共産党・社民党と同レベルの政党として国民から見捨てられることだろう。ドグマ政党の終焉が間もなく訪れる。