2013-12-09

朝鮮労働党からの除名と創価学会からの除名を考える

 北朝鮮で政権ナンバー2の座にいた張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長(67歳)の失脚が報じられている。朝鮮労働党は全ての職務から解任し、称号も剥奪して党から除名したと発表した。

 社会主義国においては「党の方針」が人生そのものと化す。それゆえ「党からの除名」が断罪の最たるものに位置している。もちろん死刑の次ではあるが。

 宗教を否定する国家と宗教教団に同じメカニズムが働く一致が興味深い。カトリック教会からの破門や創価学会からの除名は同じ効果をあげるものと見てよい。

 写真からある人物が削除されるというのは完全な没落を意味する。金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)・金正恩(キム・ジョンウン)が入った、いわゆる「1号写真」である場合はそうだ。金正恩(29)が叔母の夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長(67)を指定して“削除”ボタンを押した。

「1号映像」から消えた張成沢…再起は難しく(1) | Joongang Ilbo | 中央日報

「1号映像」から消えた張成沢…再起は難しく(2) | Joongang Ilbo | 中央日報

 そっくりではないか。創価学会は反逆者・退転者・脱会者が写っている画像をトリミングする。『小説 新・人間革命』の挿し絵では石田次男の顔を柏原ヤスの手で隠すという小細工を弄していた。また退会した元英語通訳が写っている画像も一切使われていない。

 創価学会の場合、学会本部が問題ありと判断した幹部は前段階として聖教新聞に掲載されなくなる。歴代の男子部長・青年部長経験者で名前が報じられなければ、「おかしい」と考えて間違いない。

 かような歴史改竄が共通するのはやはり権力が集中しているためだろう。

創価学会破折 歴史改竄(かいざん)

 事件を起こした会員が自主的に退会させられる創価学会のあり方に宗教性は微塵もない。一度、某副会長に「今の創価学会は誤っている」と直訴したこともあるのだが、彼にどうこうできるほどの権力はなかった。

 日蓮門下の池上宗仲が父親から勘当されたのは、鎌倉時代において社会的抹殺に等しかった。そして21世紀となった今、学会本部は池上家の父親みたいな顔つきをしているように見える。

 一度嘘をついた組織は必ず何度でも嘘をつくようになる。

 もしあなたが十分に大きな嘘を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその嘘を信じるだろう。嘘によって生じる政治的、経済的、軍事的な結果から人々を保護する国家を維持している限り、あなたは嘘を使える。よって、国家のために全ての力を反対意見の抑圧に用いることは極めて重要だ。真実は嘘の不倶戴天の敵であり、したがって、真実は国家の最大の敵だ。(ヨーゼフ・ゲッベルス/ナチス・ドイツの初代宣伝相)

『ゲッベルスは「嘘も100回言えば本当になる」と言った』というのは嘘: techpr.jp: できない、困って→問題解決

共産主義者と創価学会員との酷似