2013-01-17

正嘉の大地震

 正嘉元年[太歳丁巳]八月二十三日戌亥の時、前代に超えたる大地振。同二年[戌午]八月一日大風。同三年[己未]大飢饉。正元元年[己未]大疫病。同二年[庚申]大疫已まず。万民已に大半に超えて死を招き了んぬ。
 而る間国主之に驚き、内外典に仰せ付けて種種の御祈祷有り。爾りと雖も一分の験もなく還りて飢疫等を増長す。
 日蓮世間の体を見て、粗一切経を勘ふるに、御祈請験無く、還りて凶悪を増長する之由、道理文証之を得了んぬ。終に止むこと無く、勘文一通を造り作し其の名を立正安国論と号す。文応元年[庚申]七月十六日[辰時]、屋戸野〈やどや〉入道に付し、古最明寺殿に奏進して了んぬ。此れ偏に国土の恩を報ぜんが為也。

【「安国論御勘由来」文永5(1268.04.05)】

 日蓮は正嘉の大地震で何を見たのか?